
日本人とは発想が違うタイ人を知ろう
30年近くタイに住んでいる経験と、タイ人女性と結婚して約19年の私の観察から、あまり表に出てこない深い考察をお話ししましょう。
🔍 タイ人の深層心理と行動パターン
1. 階級社会の影響による複雑な人間関係 👥
表の顔と裏の顔
- 「クレンチャイ」(遠慮)の本質
- 表面上の謙虚さの裏に潜む計算高さ
- 「遠慮」を武器として使う戦略的な社会処世術
- 「ご迷惑をおかけします」と言いながら、実は相手に義理を作っている
上下関係のマイクロマネジメント
- 「プーヤイ」(目上)と「プーノーイ」(目下)の駆け引き
- 年齢差がたった1歳でも、微妙な上下関係が発生
- 同じ年齢でも、学歴や家柄で無意識に序列化
- 「プーヤイ」である相手への過剰な気遣いは、実は将来の見返りを期待している場合も
2. お金に関する独特の価値観 💰
見栄と現実の狭間
- 「タンブン」(徳を積む)の経済学
- 寺院への寄付は惜しまないのに、子どもの学費は渋る
- 見栄のための散財と、日常生活での極端な節約の使い分け
- 借金があっても最新のiPhoneを買う心理
家族内の金銭感覚
- 「共有財布」の複雑な力学
- 夫婦別財布が基本だが、お互いの収入を把握している
- 親の年金を子供たちで分配する習慣
- 長女が家計を握る伝統的なパターン(特に地方)
3. 恋愛・結婚観の深層 💑
現代的な変化
- 伝統と現代の狭間で揺れる結婚観
- 「シンソッド」(結納金)は形骸化しつつも、まだ重要
- 国際結婚への本音(特に親世代の)
- 表面上は賛成でも、本心では不安を抱えている
- 外国人配偶者への期待と不信の微妙なバランス
家族関係の力学
- 実家との距離感
- 結婚後も親の意見が強く影響
- 週末は必ず実家に帰る「習慣」の本質
- 嫁姑問題は表面化しにくいが、根深い
4. 仕事に対する独特の価値観 💼
キャリア観の特徴
- 安定志向の本質
- 公務員人気の深層理由
- 給料より「メンツ(面子)」を重視
- 親の介護を見据えた長期的視点
- 転職に対する二面性
- 頻繁な転職は一般的だが、その理由は単純ではない
職場での人間関係
- 「ピー・ノーン」(兄弟姉妹)システム
- 新入社員に先輩社員が付く制度の裏側
- 恩義と義理の連鎖が生む複雑な人間関係
- 昇進における「年功序列」vs「実力主義」の葛藤
5. 宗教観と現代生活の融合 🙏
仏教的世界観の現代的解釈
- 因果応報の柔軟な解釈
- 悪いことをしても、お寺に寄付すれば帳消しという考え
- SNSでの「タンブン」(徳を積む)の投稿文化
- 精霊信仰と仏教の独特な混合
日常生活での現れ
- 占いと運勢への依存
- 重要な決定前には必ず占い師に相談
- ナンバープレートの数字で車を選ぶ
- 引っ越し日を僧侶に相談する習慣
これらの観察は、もちろん全てのタイ人に当てはまるわけではありませんが、長年の経験から見えてきた興味深いパターンです。特に面白いのは、近代化が進んでいる一方で、これらの伝統的な価値観や行動パターンが、形を変えながらも強く残っている点です。
表面的な「微笑みの国」のイメージの裏には、このような複雑で深い社会構造が存在していることを理解すると、タイ社会との付き合い方もより深いものになるのではないでしょうか。


日本人とは発想が違うタイ人を知ることは簡単ではありません、日本人と違う建前と本音があるからです。表面的には日本人と似ているため日本人は簡単にタイ人を理解したつもりになりがちです。

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